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7月20日「日付という字幕」

こんばんは。

『適切な距離』は主人公・雄司の日記の再現です。一日単位で日付がブラックの画面に登場します。
製作中、色んな人に「これは映画的表現ではない」と言われましたが、僕はこれこそ映画的だろうと思っていました。

今日、ふとサイレント映画を思い出しました。サイレント映画って映像が続いた後に「こんにちは」とか字幕で喋ったであろう台詞が出てきます。
他にも、ある映画では何カットか主人公が何かをしているシーンが写って「彼はこういう人だった」と字幕が入ります。そして次は母親のシーンが来て「母はこういう人だった」と続く。ぶつ切りでありますが、文字も映像の一部に僕は思えます。そしてゴダールが言っていましたが、サイレント時代は文学と映画は仲が良かったって。
音がないという制約があることで逆に文学と仲良くなるというのは興味深いですよね。

サイレント時代ってぶつ切りのイメージの連続が映画なんだって露骨だった気がします。それが観客に対してドンドン親切になって今の滑らかな映像の連続に進化してきた訳です。
これって四コマ漫画と少年ジャンプの違いに似ています。
親切で滑らかでダイナミックなジャンプ漫画と、カクカクしていますが余白を意識させる面白さを四コマは表現している。
僕は『適切な距離』でできればこの四コマ漫画的な余白を楽しむ想像力を活かしつつ、ジャンプ的な親切さで映画を作りたかったんでしょうね。

僕は創作する映像をイメージする時、切れ味の良い刃で野菜を素早く切る感覚を思い出します。切った野菜の断面が綺麗になっているのが好きです。
映像も同じです。

鮮やかな断面になっていると、観客はその断面にあったであろう時間の経過を意識せざるを得ないからです。
だから僕はカットを割る時、絶対にフェードアウトとフェードインを使いません。必ずカットインとカットアウトで繋いだ映像の蓄積で勝負します。

意識がないはずの時間に向くというのは凄く面白いですよね。
描かれなかった《空白の時間》を想像してしまう映像を作りたいです。

昨年撮った『かくれんぼ』という短編映画はその《空白の時間》を映画にしたようなものでした。24時間という時間をあえて37分でまとめました。発想としては逆説的ですが、ワンカット映像で。それによりかくれんぼしている《空白の時間》を楽しんで頂きたいなあとか思ったり。

まあ、とにかく、僕は四次元的に映画を作りたい訳です(笑)

では。
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2012-07-20 : 大江日記 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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プロフィール

tekisetsu

Author:tekisetsu
映画『適切な距離』

2012年9月1日(土)~14日(金)連日21:00~新宿K's cinemaにて公開が決定した大江崇允監督最新映画『適切な距離』公式blog。第7回CO2にてシネアスト大阪市長賞(グランプリ)。主演の内村遥が男優賞受賞。断絶した親子関係。生まれなかった弟と母の幸せな生活。久々のコミュニケーションは、母の嘘の日記だった。

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