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「映画を始めるまで」

「映画を始めるまで」

どうも、『適切な距離』監督の大江です。寒い日が続きますね。インフルエンザに気をつけて下さい。

さて、今日はタイトルのことを書きます。かなり長いですので、何回かに分けて読んで下さったりしても、え~、大丈夫ですので(笑)
どうぞ、お付き合い下さい。

もともと僕は大学でIT関係に就職する学科に通っていましたが、確実に向いていなかったので20歳で転部して舞台芸術を始めました。友人の脚本家、菊池開人には当時「電車でネクタイの結び目がカマキリの頭に見えて怖くなったから」辞めたと言っていたみたいです(笑)

舞台を始めて僕はこの世界で生きて行くと決め、とにかく戯曲から演出から役者と迷いなく挑み、励み続けました。周りには余所見をしたり、自らの道に懐疑的になったりする人がいましたが、それを横目に見ながらひたすら、です。何か自分の才能みたいなものを信じていたというより、目の前の課題と直面しながら今いる場所についてただ何も疑わなかっただけだと思います。

運良く師に恵まれ、ルコックシステムという演技システムを教えて頂いたことも大きいです。
人を見る、こと。
その他、単に基本の型を学んだだけなんですが、その基本が今の僕の全てです。当時以上に今は実感します。基本が身についているので、誰にも負けない気がします。

師の言葉で印象的なものを二つ挙げます。
演技に大切なことは「想像力と感受性」。口酸っぱく言われました。
(僕の意訳ですが)想像力は人間や目の前に広がる世界を見る力、感受性は
その広がる全てを感じて受け止めて自分へも潜る力だと勝手な解釈をしております。
個人的にはそこに「羞恥心」って付け加えて人には話しますが。自分がやっていることは恥ずかしいことなんだ、もしくは一歩間違ったら恥ずかしいものへと豹変するものなんだ、ということです。大事ですよね。
あとは「芝居は似顔絵」という言葉。
(僕の意訳ですが)例えばイチローの似顔絵を書くとします。10人が書くとその全部はバラバラです。ヒゲに特徴を置いて誇張する人もいれば、あの独特のバットを掲げる仕草を中心に描く人もいます。全部が違うイチロー。でもどれもちゃんとイチローなんです。つまり一つの役についてアプローチは様々で、その役者自身がどこを面白がっているのかが重要です。

自論があります。《演技の上手い人は嘘をつくのが下手な人である》と。人間って伊達じゃなくて、どんなに上手く(演技として)嘘を言っても暴かれてしまいます。
他人を知り、自分と向き合い、いかにして自分の筆で絵を描くのかが試されてしまう。演じるってそれぐらい怖い場所に自分の体と心を晒すということだと思います。だから僕は俳優を尊敬しているんですけどね。

さてさて、僕は大学在学中にさっきの菊池たちと劇団を作り、芝居でやって行こうと励んでいました。
が、客が入らない…。とにかく入らない…。
三人の客の前で三時間半の芝居をしたことがあります(笑)
批評家からの評価は悪くありません。小さい賞も頂きました。
僕達は「面白い演劇を作る」ことを続ければいつか上手く行くはずだ、って信じていました。
現場はボロボロです。人間関係もよろしくない。でもとにかく個々が面白いものを作るために前を向いていたら、と。ストイックに山の頂きを目指すことがある種の美学でした。妥協はしない。それが観客に負けたくないという僕のプライドでした。全く、くそ真面目ですねえ(笑)

でも僕の中では停滞して上手く行かなくなって劇団を辞めて、今の相棒の戸田彬弘とチーズfilmとして映画の活動を始めました。
戸田監督映画『花の袋』にプロデューサー(とちょこっと脚本)で初めて映画に参加して、今でも奴の映画では僕がサポート役です。
もっと良いこともその逆もこれからあるでしょうが、切磋琢磨してお互いが両極のど真ん中でやって行ければなあと思っております。

そういえば、辞めた途端に劇団が大きな賞を取り始めたんですけどね(笑)
皮肉ですが、まあ、嬉しいです。本音で。

そんな劇団時代の経緯があったからかもしれません。『適切な距離』ではチームでものを作ることの大切さをすごく感じました。自身の才なんて底が見え見えで、だけど今は良い仲間に恵まれてるなあと誇張なしで言えます。

ブルドーザーの破壊力と無骨なまでの集中力で皆を引っ張り、苦しい時こそ僕にない角度をくれる戸田くんがいて、「光がないと真っ暗で映画は作れないから一番重要なんです」と照明を作り、画に映るもの全部をプロデュースしてくれる三浦くんがいて、カメラを黙々と素晴らしい場所へ置いてくれる桜井さんがいて、クールなメガネの奥に秘めた情熱で信じられないぐらい拘ったMAを成し遂げてくれる竹内氏がいて。
おっと、身内を誉める恥ずかしい文章になっておりますがご容赦を。
独特のセンスでバシッとイメージの湧く服をくれる増川嬢がおり、持ち前の明るさで安心させる平野嬢がおり、慣れない美術に奮闘してくれた酔うと妙に色気が爆発する寄川嬢、天然炸裂藤本助監督、「監督のうんこ待ちでーす」ばかり言う角田助監督(トイレ時は放っておいてくれよ)、半ケツで照明機材を支える竹田純、そんな動物達を笑顔と炊き出しで包んでくれる横田嬢。
まだまだ色んな人が好き勝手やった映画なんですが、とりあえず常連を中心に、ふうー。

そんな映画『適切な距離』、試写会やりますので、初めての人も観たことある人も是非いらして下さい。
ではでは。

【告知】大江崇允監督、映画『適切な距離』の試写会を行います。2月28日15:30から渋谷の映画美学校試写室で行います。ご来場ご希望の方は @tekisetsu へメッセージを送って頂くか bluecheesefilm@gmail.com までご連絡下さい!入場無料です。
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2012-02-19 : 創作の過程 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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プロフィール

tekisetsu

Author:tekisetsu
映画『適切な距離』

2012年9月1日(土)~14日(金)連日21:00~新宿K's cinemaにて公開が決定した大江崇允監督最新映画『適切な距離』公式blog。第7回CO2にてシネアスト大阪市長賞(グランプリ)。主演の内村遥が男優賞受賞。断絶した親子関係。生まれなかった弟と母の幸せな生活。久々のコミュニケーションは、母の嘘の日記だった。

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